<Nudgeの大御所 Wansink教授>
食行動研究の大御所であるコーネル大学のWansink教授が不適切な研究により、コーネル大学を辞職することになったようです。人の食行動がいかに周囲の環境や食事のディスプレイなどに左右されてしまうかを、数々の実験を基づいて世の中に示し続けてきました。私自身も彼の研究の大ファンだったので今回のスキャンダルは非常に残念です。
<疑惑の内容>
大学の声明では
“committed academic misconduct in his research and scholarship, including misreporting of research data, problematic statistical techniques, failure to properly document and preserve research results, and inappropriate authorship.”彼の研究、奨学金に関して不正があった。具体的には、研究データの不正報告、不適切な統計解析、研究結果の不適切管理や著者資格に問題があった。
としています。
医学雑誌JAMAに掲載された食器のサイズが食事量に影響するという研究や、テレビ番組の内容が食行動に与える影響や空腹がどのように食事の選好性を変えるかといった研究内容に疑念が突きつけられています。
実際に複数の論文が取り下げ、もしくは修正されているとのことです。
現在調査中のようですが、Wansink教授は2019年6月30日付けでコーネル大学を退職することが決まっており、それまでの間も教育・研究には関わらないとの方針だそうです。
<当ブログでの対応>
彼の研究は行動経済学の医療分野(特に食行動関連)に大きな影響を与えてきました。どこまでが不適切なデータとして扱われるのかは2019年11月現在不明な状態です。彼の研究コンセプトは非常にユニークなものが多いので、今後もブログで取り上げますが、Wansink教授の研究を引用した記事には、この記事へのリンクを貼る等の対応をしたいと思います。
研究内容の真偽については読者の皆様の方で判断していただくようお願いします。
<参考資料>
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