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ジャズの街Day9-14 研究留学は思ったよりも孤独だという1例

ジャズの街NOLA編

アメリカに来れば英語が使えるなんて虚像だった。

久しぶりのエントリーが暗い話題で非常に申し訳ないのですが、別に病んでるわけでじはなく自分自身の記録として、またこれから留学する方への教訓として伝えたいという思いで記事をしたためています。

そうです。研究留学は思ったよりも孤独というお話です。その理由の1つが英語を実質的に公用語とする空間が僕の周りに存在しないからです。これは、留学の期間や内容、留学先の検討の段階で予測しておくべき事態でした。

僕の所属する研究室は8人中6人が中国人という、米国の人口構成を考えると極めて特殊な環境です。もちろんアメリカの研究室なので、公式なリサーチミーティングや予演会等は全て英語で行われるのですが、日常のコミュニケーションでは中国語が飛び交っています。研究の簡単なディスカッションや、何気ない雑談が全て中国語。必然的に、僕はひとり、置いてきぼりになってしまうのです。

 

実験設備を持たない解析専門の研究室ということもあり、いわゆる「スキマ時間」の少ない環境というのも要因の1つかもしれません。実験系の研究だと、サンプルを仕込んでから結果が出るまで空き時間があり、その間にのんびりおしゃべりをしたりということも出来ます。しかし解析系の研究室では、個々人がひたすらPCに向かい、解析プログラムを打ち込んだり、論文を書いたり、データクリーニングをしたり、といった具合で複数のプロジェクトを凄まじいスピードでこなしていきます。すると、自然とコミュニケーションの機会は限られてきますし、中国語が通じる空間で、あえて外国語(英語)をわざわざ話す気にならないのは理解できます。きっと日本で逆の立場なら僕も同じことをしていたでしょう。

また、僕の研究結果はかなり美しいので、そこまでディスカッションをする必要もないという嬉しいような悲しいような事情も相まって、英語を使う機会が皆無な生活を送っています。ひどい時には挨拶以外、誰とも話さないこともあるという孤独な毎日です。

もう少し長期の留学で、大学の授業等をとっていると他の留学生との交流があったり、友人が出来る機会もあったのかもしれません。寮の交流イベント等に参加することも出来たでしょう。研究室という閉鎖的な人間関係の中に、短期留学で飛び込むというのは結構大変なことだと今回の経験で思い知りました。

それでもこの研究室での生活は気に入っています。

さんざんネガティブなことを書いてしまいましたが、僕は普通に元気です。

日本ではありえないくらい研究に没頭出来てますし、中国語が話せない僕を気遣ってくれる優しいボスとオフィスが一緒でよくイチゴをくれる先輩もいます。

ボスも忙しいスケジュールの中、

「元気にやってるか−。もう昼なんだからいつまでも仕事してないでメシ食え!!なんか困ってることでもあるのか?」

と僕のオフィスにわざわざ顔を出してくれます。

「今ランチに行くとこでした。午後は◯◯の解析方法調べるくらいで、今のところは順調です!」
「ふーん。」

という他愛もない会話をしていると2分後にはメールで〇〇の解析方法についての資料が大量に送られてきたのです笑

なんだかありがたくて、パソコンを前にしばらく固まってしまいました笑

本当にボスには恵まれました。なんとしても今回の研究を彼との共著で世に送り出したいものです。

人種のサラダボウルなら言葉だってサラダボウル

多民族が暮らすアメリカでは当然言葉だって多様なわけです。みんな英語が一番得意な言語なわけではないという当たり前のことを知りました。

スペイン語の方が得意な人もいれば、中国語の方が良い人もいる。

もちろん英語という「公用語」で表向きの仕事は上手くいくような社会ではあるのですが、それだけでは不十分な場面もあるのが現実です。言葉というのは人間にとって非常に大切なものだとこの2ヶ月の留学生活で思い知ったので、これから英語の強化はもちろんのこと、他の言語の能力も伸ばしていきたいと決意しました。

週末は美術館やジャズバーを巡ってちゃんと楽しんでますので、皆様ご安心を!!

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