あたたかいコメントに励まされました。
昨日までは実習が思ったように、出来ずかなりストレスがたまっていた。こんな甘ったれたエントリーにも関わらずFB上では沢山の人からあたたかいアドバイスやコメントを頂き、自分がいかに近視的な物の見方をしていたかを思い知るに至った。
多くの人は留学から帰ってきた後に、自信の充実した留学生活しか語ってくれない。だからこそ、こうやって等身大の悩みをさらけ出すことは、これから留学する人たちの助けになると思っている。こういうところにこそ、このブログの意義かあるのではないだろうか。
風向きは突然に・・・
今朝も変わらず病棟に行くと、昨日までとは違う風が吹いていた。
どうやら4年目のレジデントDr.Wのおかげらしい。彼は、神経内科を志望する有能な若手医師だ。高身長で華奢な体格な上に、童顔で、この熱帯に住んでいるとは信じがたいくらいの色白なので些か頼りなさそうに見えるのだが、テキパキと病棟業務をこなす彼の背中はまさしくデキるレジデントのそれであった。
昨日、病棟で放置されてしまい、暇を持て余していた留学生達にDr.Wは、
「俺達も留学生をどうやって扱ったら良いのか分からない。どんなことがしたいか希望を聞かせてほしい。」
と優しく聞いてくれていた。
それに対しては、
「とにかくチームに参加して、病棟の症例を把握したい。回診の際には、英語でも症例について説明してもらえると助かる。手技なども支障のない範囲で経験できると非常に嬉しい。」という事を伝えた。Dr.Wは外来当番であったこともあり、昨日は特になにも変わらなったのだが、今朝病棟に上がってくると全く違う空気になっていた。どうやらDr.Wが他のレジデントとチーフレジデントに声をかけて、僕達の希望を伝えてくれていたようだった。
朝回診からは怒涛のように英語が飛び交い、次々と患者様の病状が説明されていく。
こちらも聞き逃すまいと必死に食いつき、時には質問もしながらかなり有意義な回診となった。さらには身体診察も少しずつさせてもらえるようになり、昨日までの病棟生活が嘘のように変わってしまった。いや、Dr.Wが病棟の風向きを変えてくれたのだ。彼自身、医学生のころにドイツの病院に留学した経験があるようで、「言葉の壁がいかに大変かを俺も理解している。」と語ってくれた。
すると他のドクター達にも自然とニーズが伝えやすくなり、コミュニケーションがようやく上手く周りだした。
明日は明日の風が吹くとはよくいったものだ。
風向きはちょっとしたきっかけで大きく変わることを実感した。
どんな環境にも必ず力になってくれる人がいる。
そして、素直にその人を頼る勇気を持つことも大切なのかもしれない。
いつかは自分が躓いている誰かの力になりたい、とDr.Wのやっぱり少し頼りなさそうな背中を見て思ったのであった。
医学的な学びのメモ
・結核を疑う症例が非常に多い。しかしながらクオンティフェロンなどは用いることが出来ないので、基本的には画像検査とPCRによって診断を行っている。
・結核を疑ってもN95マスクによる感染対策がされておらず、サージカルマスクを着けるのみ。空気感染が心配。
・抗菌薬の選択はかなりブロードな印象を受ける。
・病棟はHCU相当の患者様が入院されているため、髄膜炎、急性心筋梗塞、呼吸状態の悪化した肺癌などの重症感がある症例が非常に多い。
・基本的には日本と疾病構造が似ているが、感染症に関してはすこし独特な印象だ。
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