そろそろ2020年度海外留学にむけた奨学金の応募が始まる季節ですね。
それに伴い個別に留学相談を頂く機会も増えてきました。
質問の内容が大体同じなので、まとめてFAQとして掲載します。
その他にも質問がある方は是非問い合わせフォーム・コメントからお願いいたします。
Q0.質問をする前にするべきことは?
A0.「何を」「どういう立場で」「どのように」関わりたいかを明確にしましょう。それに向けたストーリーを他人に説得力を持って話せるようにしましょう。目安として「あなたは何をしたいの?どうして大学院留学するの?」という質問に3分程度は語れるようになりましょう。
そうすればどの大学院/プログラムがいいのか、奨学金選考書類作成、エッセイ書きなどで悩む必要がなくなります。 もちろん定まらないところはあると思いますが、仮の姿でも構わないので「大学院受験用のストーリー」をまず持ちましょう。
もう少し詳しく解説します。
「何を」というのは対象となる集団や疾患になります。
例)
- 開発途上国の感染症
- 先進国の認知症
- セクシャルマイノリティの精神保健
- 北米での銃規制について
- 日本の病院における医療安全管理
「どういう立場で」というのは公衆衛生にまつわるプレーヤーのことです。
例)
- 国際機関
- 医療機関管理者
- 民間NGO
- 大学などのアカデミア
- 行政官
「どのように」というのは問題解決のためのアプローチを指します。
- エビデンスの構築を通じて
- 現場での教育活動によって
- 政策立案によって
- アドボカシー活動によって
これらの項目を組み合わせることによって何をやりたいかを一言で伝えることが出来ます。
私の出願時のテーマは
【「働く人の心血管系疾患」を「産業医+実務研究者」としての立場で「行動科学的アプローチ」で予防する。】
というものでした。
まずは自分のやりたいことをこのように定式化し、それを裏付けるストーリーを練ってみましょう。
Q1.臨床経験何年目で留学するのが適切ですか?
A1.そんなことに対する絶対的な正解など存在しません。
ただし、実務家(≠研究者)として留学するのであればある程度の「実務経験(≒臨床経験)」があった方が良いでしょう。
MPHはあくまでも学位です。MPHがあれば就職出来るわけではありません。
国際機関や様々な職種での募集要項を見てみると関連分野での実務経験が求められることがほとんどです。Post-MPHを考えたときに、自分のやりたいことに関連した実務経験がある方が圧倒的に有利だと思います。
プログラムによっては最低2年の実務経験を出願要件としているところもありますので必ず興味のあるプログラムの公式サイトを確認してください。
また、公衆衛生大学院留学には莫大な費用がかかります。私の留学するJohns HopkinsのMPHは生活費+授業料でおよそ1000万円程度の費用がかかります。ありがたいことに種々の奨学金制度もありますが、最大でも年500万円程度の援助になりますので、自己資金500万円程度の準備が必要です。
実家が太いなどの事情があれば別ですが、実務経験を積みながら留学費用を貯めてから挑戦するのが最もリーズナブルな選択肢だと個人的には思います。
Q2.どの大学院がオススメですか
A2.万人にオススメ出来るプログラムなど存在しません。
しかしランキングで上位の学校の方が教授陣の層も厚く、設備面でも充実している可能性が高いと思います。
私の場合は行動科学を専攻したかったので経営大学院や政策大学院などもある大学で、ランキング上位のプログラムに出願しました。
そのあとは興味関心の合う教授がいるか、専門分野での論文は出ているかなどを基準に選びました。
Q3.MPHとMSの違い
A3.MPHとMSの違い学校によっても差異があるかもしれませんが、基本的にはMPHは講義がメインの実務家養成コースです、MSは講義+研究の研究者養成コースで卒業後はPhDへの進学を含めた研究やとしての進路を視野にいれる方がメインのようです。実務家として仕事をするつもりなら基本的にはMPHだと思います。
Q4.奨学金選考のコツはなんですか
A4.最低限することは以下の3点です。
- 首尾一貫した説得力のあるストーリーを構築する。
- 研究計画書は関連する論文をしっかりと読み込み、論文のIntroduction&Methodに匹敵するレベルで書き上げる。
- 英語での書類は必ずプロに校正を依頼する。
これらをキチンと取り組めば、大学院出願の際にも書類を使い回せるので、奨学金応募の際にしっかりと時間をかけて取り組みましょう。
あとは運の要素も大きいと思いますので、落ちても気にせずに他の奨学金にガンガン応募しましょう。
Q5.TOEFL&GREの対策法を教えてください。
A5.Googleで検索すれば沢山のブログなどで対策法が紹介されていますし、無料の教材も豊富ですので、あえてこの記事で紹介はしません。
ただしイギリスの大学院も検討される方はIELTSを受けることを考慮しても良いかもしれません。
海外公衆衛生大学院留学FAQ第一弾をお届けしました。
これからも少しずつFAQをアップしていきたいと思います。
個別での進路相談や、ストーリー構築のお手伝いなども承っております。
(互いにしっかりとコミットするために有料としております。学生さんは特別割引も相談可です。)
料金を含めて、まずはお気軽に問い合わせフォームよりご連絡ください。
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