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産業医になるには

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<産業医とは>

労働安全衛生法によって選任が義務付けられているもので、企業を含む事業者において労働者の健康を守る医師のことです。
病院で働く医師のように知られた存在ではないため、医師であっても「あぁ健康診断とかする人でしょ?」程度の認識しかないのが現状です。
健康診断は確かに産業医の仕事ではありますが、その仕事のごく一部にすぎません。
作業環境の管理や作業そのものが健康に与える影響の評価等も行います。
また、健康教育や社費を使った予防医療サービスの提供なども企業の求めに応じて担当します。
社員の健康を守り生産性を上げることで企業価値の向上を目指すという企業にとっての価値を創出すると同時に、労働者ひとりひとりの健康のために医療を提供するのが産業医という仕事です。

<産業医資格をとるには>

産業医資格は労働安全衛生法に定められたいくつかの要件を満たす医師に与えられます。
そのうちの一つが、厚生労働省が認定する研修を修了するという方法です。
これらの研修は日本医師会を通じて行われることが多く、修了者には「日本医師会認定産業医」の資格が与えられます。
55単位の講習が必要であり、申請から5年毎に更新が必要となります。
なお、日本医師会への加入は必須ではありません。

<講習会情報>

・産業医学基本講座(産業医科大学・東京)
こちらの講習を修了すると5年に一回の更新が不要となります。
ただし、期間(2ヶ月~)が長く費用もそれなりにかかってしまうので、「とりあえず資格をとってみたい」という方には不向きかもしれません。
知識・実務ともに深く学ぶことが出来そうなカリキュラム構成となっており、労働衛生コンサルタント筆記試験の免除や社会医学専門医の基礎プログラム修了資格などを同時に得ることが出来ます。
また、東京会場は原則平日夜間・休日のみの講義ですので働きながらでも履修が可能です。
・産業医科大学(北九州・東京)
6日連続の講習で日本医師会認定産業医取得に必要な単位をすべて修めるという過密スケジュールです。実際に行った先生達からは、カナリ辛かったとの感想を聞きますが、一回で集中して修了できることが魅力のようです。
www.uoeh-u.ac.jp
 
産業医科大学|産業医学基礎研修会集中講座
https://www.uoeh-u.ac.jp/medical/training/scCourse.html
・東京医科歯科大学
こちらは東京医科歯科大学医師会と東京医師会の共催のようです。
6日間の詰め込み型である点は同様です。
・獨協医科大学
こちらの講習会は日曜日のみの講習を6週間に渡って受講するスタイルです。6週間となると少し長い気もしますが、日曜日だけで良いことと、関東圏であることがメリットでしょうか。
・東北大学
東北大学の産業医学研修の特徴は11月-1月の3ヶ月にわたり、各月の土日に講義が行われます。つまり3ヶ月間土日1回の休みを確保するだけで産業医資格を取得できます。臨床医であっても、土日だけならなんとか時間を確保出来るという人も多いと思いますのでオススメです。仙台は東京から東北新幹線で90分程度ですので東北圏のみならず関東圏からも受講可能だと思います。
・各医師会
その他にも各医師会で産業医講習会が企画されており、下記のサイトから検索が可能です。新規取得の場合には規定の科目(前期研修)を履修する必要があり、それらを順序よく受講するのは困難です。前期研修だけでも上記の集中型の講習会で修了する方が得策だと思います。
一方で更新研修は5年間で20単位の取得ですので、これらの機会を活用して単位を集めるのも良いでしょう。

 

<まとめ>

  • 産業医は臨床医とは違う魅力にあふれている仕事。
  • 新規取得は集中講義スタイルの講習会がオススメ。
  • 更新研修は各医師会の講習会も考慮に入れましょう。

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