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Ebola Handshake!

Nudgeの事例紹介



<エボラ出血熱とは>

エボラウイルスによって引き起こされるウイルス性出血熱の1つです。
発熱に続き、全身症状が出現し状態が悪化すると出血傾向を示すようになることから「出血熱」という名前がつけられています。
しかし全ての症例で出血がみられるわけではないため、近年では「エボラウイルス病」と呼ばれることも多くなっています。
集団発生時には致死率が90%にものぼると言われており、世界で最も恐れられている感染症の1つです。
血液や体液を通じてヒトーヒト感染が成立し、多数の死者を出す流行となることがあります。
2014年には西アフリカ地域で流行がみられ大問題となりました。
この流行では約2000もの人々が発症し、約1000人が命を落としました。

<Ebola Handshake>

このような事態を重く見たナイジェリア政府は、感染を食い止めるために握手を禁止にしようとしました。
握手でどれほどの感染症が防げるのかについては、科学的根拠に乏しいと思われますが、人との接触を出来るだけ減らそうと考えたのでしょう。
(実際にCDCのリーフレットではエボラは握手で感染しませんと明記されています。)
そこで編み出されたのが
Ebola Handshakeです。手をにぎるのではなく、肘をぶつけ合うようなイメージですね。
Ebola Handshake

 

<単純な禁止ではなく代替手段を提示する>

なぜナイジェリア政府はこのような握手を考案したのでしょうか。
一般的に行動を禁止しても、世間には広まりにくく既存の枠組みに勝てる見込みは高くないと考えられます。
「握手」を当然のものとして行っている文化の中で、突然握手を禁止しても受け入れられ難いでしょう。
そこで彼らは「代替手段」としてEbola Handshakeを考案しました。
代替手段が提示されることにより、「握手」を減らせると考えたのです。
多くのメディアでもEbola Handshakeは取り上げられ、Youtubeにも数々の動画がアップされています。
このような「Ebola Handshake」はリベリア等の国でも広がりを見せたようです。
残念ながらEbola Handshakeの感染抑制効果を検証した論文を見つけられなかったのですが、行動変容という意味では一定の効果があったのではないかと思います。

<まとめ>

・代替手段を提示することで、目的の行動を効果的に削減できるかもしれない



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