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医師転職サービスから性差別をうけた話。

フリーランス医師マニュアル



<背景>

私は3月で現在の病院を退職し、7月から公衆衛生大学院に通う予定です。
4月から6月の間はフリーランスの医師としてバイト生活をしようと計画しています。
医師のバイトは医局を通じて斡旋されることが一般的ですが、医局との関わりもない気楽な身分の私は、いくつかの医師転職サービス(エージェント)を利用しています。
中には親身に相談に載って下さりアルバイトの調整も丁寧に行って下さる業者さんもあり感謝している一方で、今回あからさまな性差別を受けたのでその話を書いてみたいと思います。

 

<内容>

1日単位の学校健診アルバイトを探している時でした。
沢山の求人があり、意気揚々と応募しまくったのですが、なぜかお祈りメール(断りメール)が沢山返ってきます。
自分にはお祈りメールが届いているにもかかわらず、求人サイトでは募集が引き続き掲載されていました。
学校健診はさほど複雑な業務でもないので、経験の有無で足きりされることはあまりないと思うので、違和感を覚えたのです。
すると数日経ってこんな要旨のメールがエージェントから届きました。

 

本案件ではクライアントが女性医師をリクエストされています。
広告規定により「女性医師限定」などの文言を掲載できないことになっています。
代わりに「女性医師が活躍できる職場です」と表示しています。
そのような案件は女性医師の募集ですのでご注意下さい。

 

つまり私は「男性」であるという性別によって仕事につけなかったのです。
そういえば昔男女雇用機会均等法というものを習った気がしたので、このような対応に違法性はないのか気になり、調べてみました。

 

<調べてみた>

Twitterでフォロワーさんから教えていただいたのですが、
厚生労働省からは「男女均等な採用選考ルール」なるものが出されています。
もちろん原則として
男女どちらかの性別だけを採用しようとすることは禁止されています。

 

しかしいくつか例外規定があります。
例えば男女のどちらかが全体の4割を下回っているときには、格差是正(アクティブアクション)のために性別に応じた選考を行うことが認められます。
また業務の遂行上どちらかの性別でないと行けない場合には例外的に性別に基づく採用が認められます。
どちらかというと今回のケースはこれに該当するかが論点となりそうです。
冊子では具体例として
  • 芸術分野での演出上必要な場合
  • 警備員など防犯上の理由で男性に従事させる必要がある場合
などがあげられています。
その上で
「どちらか一方の性が適しているから、という理由だけでは該当しない」
としています。
例え患者に女性が多いとしても、医師が女性である絶対的な必要性はありません。
たしかに心理的な面を配慮すると、女性医師の方が好ましいかもしれませんが、それを理由に性別に基づく採用を行うことは違法である可能性が高いです。

 

<まとめ>

女性患者が多い環境では、経営者としても女性医師を登用したいという気持ちは理解出来ます。
しかしこれが逆ならどうでしょうか。
男性医師限定の求人を出そうものなら、またたく間に性差別だとして話題になるでしょう。
医師はプロフェッショナルとして、患者の性別、性的指向、年齢、宗教、人種などにかかわらず適切な医療を提供しています。
今回、性別を理由に採用を断られたことで、自分の仕事に対する思いが否定されたような気がしました。

 

性別だけで仕事につけないなんて、絶対にあってはいけないことです。
これを機に、可能な限り当該のエージェント以外のところで仕事を探すようにしています。
フリーランスになってはじめて学んだ、世知辛い世の中でした。



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