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MPH留学日記 Day48-55 1st Termの授業を決めました&Criminal Justice

JHSPH留学日記

授業登録

 

今週は9月から始まる1st Termの履修登録期限でした。
日本の大学でも大体同じだと思いますが、事前登録期間に基本的な登録をし、授業開始後にAdd/Drop Periodと呼ばれる変更猶予期間が設けられています。
ホプキンスのMPHは基本的には自由度が高いカリキュラム構成になっていますが必修・選択必修科目がそれなりに多くなっています。
専攻分野を付けたり、Certificationを取得する場合にはさらに科目が絞られてきます。
私の場合は1st termは7科目を受講することにしました。
受講科目は以下の通りです。
  • Applied Microeconomics for Policymaking(政策立案のための応用ミクロ経済学)
  • Building Collaborations Across Sectors to Improve Population Health(公衆衛生のためのチームコミュニケーション※必修)
  • Principles of Human Nutrition in Public Health Program(公衆衛生栄養学入門※選択必修)
  • Planning for Health Behavior Change(行動変容のためのプログラム開発※選択必修)
  • Seminar for MPHConcentration in Social and Behavioral Sciences I(社会行動科学専攻セミナー)
  • Statistical Methods in Public Health I(生物統計学中級 ※選択必修)
  • Marketing Management(マーケティング/MBA)
この中でセミナーは週1回ランチをしながら最先端の研究トピックの話を聞くだけという楽勝科目ですし、公衆衛生のためのチームコミュニケーションもほとんどやることはありません。
負荷的にはマーケティング>ミクロ経済学>生物統計>>その他
という感じになりそうです。

 

Interdivisional Registration

ジョンズホプキンスは医学系で特に有名な大学ですが、経営大学院・教育大学院・国際関係大学院・芸術大学院などをあわせもつ総合大学です。
公衆衛生のキャリアに関係するものであれば、Full-timeの学生は他学部の授業を無料で受講し、単位を公衆衛生大学院のものに変換することが出来ます。
私の場合は経営大学院でMarketing Management(1st term), Behavioral Marketing(3rd term)を受講予定です。
事前に申請をしたり、教授からの内諾をとったりと色々と面倒くさいのですが、MBA/MPHのDual Degreeにするよりかは短期間・低価格で好きな科目を履修できるので良いかなと思います。



刑務所と公衆衛生

今週の講義で最も印象的だったのは過剰な収監が公衆衛生の問題として大きいく取り上げられていることです。
アメリカの収監人数は世界最大で、人口あたりの収監数も1位で、アメリカ人の100人に1人は刑務所にいる計算です。
引用元:BBC NEWS
http://news.bbc.co.uk/2/shared/spl/hi/uk/06/prisons/html/nn2page1.stm

 

1970年代には州政府・連邦政府の刑務所の収監数は20万人程度でしたが、2016年には140万人近くまで増加しています。(この他に私立の委託刑務所があります。)
引用元:The Sentencing Project
https://sentencingproject.org/wp-content/uploads/2016/01/Trends-in-US-Corrections.pdf

 

講義では、教授はこの現状を問題視しており、犯罪を犯した人々が社会から分断され、劣悪な環境に押し込められることが社会復帰を妨げていると繰り返し訴えていました。
また服役することで「罪を償う」という考え方は薄く、あくまでも矯正を主眼においている視点が個人的には新鮮でした。
米国の司法では保護観察処分を言い渡されることも多くありますが、たとえ保護観察処分になったとしても社会サービスにアクセスすることができず、結局は再犯率が高いという話も講義では触れられていました。
また薬物使用者に関しては、服役ではなく治療が必要との考え方から、収監をしない・罪に問わないという方向も積極的に検討されているとのことで驚きでした。
犯罪抑制における服役という方法が果たして社会コスト的にも適切なのかについてはエビデンスに基づく議論が必要だなと思いますし、犯罪抑制効果が十分であれば、必要な医療サポートや社会復帰プログラムを強制的に受けさせるような処分があっても良いのかもしれないと考えました。
ただこの分野は刑事司法とはなにか、という国家の根幹にも関わる問題なので幅広い分野で建設的に話し合う必要があり、慎重な議論が望まれます。
法学・公衆衛生学・社会学など様々な分野の専門家が協力して今後もエビデンスが集積されることを願うばかりです。

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